第4238号平成17年(2005年)5月16日 周溝状遺構が出土 青銅製の鋤先・完形の小刀も 原の辻遺跡発掘調査 青銅製鋤先(せいどうせいすきさき) 県教育委員会・原の辻遺跡調査事務所は九日、昨年度の原の辻発掘調査で、周溝状遺構(しゅうこうじ ょういこう)を検出し、青銅製鋤先(せいどうせいすきさき)や鹿角製柄付刀子(ろっかくせいつかつきと うす)などの遺物が出土したと発表した。 原の辻遺跡・丘陵部の祭儀場跡から出土した周溝状遺構(弥生時代後期、紀元前二世紀〜三世紀)から は、建造物柱穴の跡などが見つかっており、同遺構の検出事例としては、これまで九州の筑 紫平野(福岡県南部〜佐賀県南部)に集中しており玄海灘沿岸かから対馬海峡にかけての地域では 発見例がなく、今回、原の辻の検出で、筑紫平野一帯の地域との交流が推測されている。 近年の水田化に伴う造成土から、ほぼ完形で出土した青銅製鋤先(弥生時代後期〜古墳時代前期)は、こ れまでに福岡市から春日市にかけて八十五例が出土しており、『魏志倭人伝』が伝える奴国を中心とする北 部九州地域で生産されたと推測され、今回の出土例はほぼ完形であり、北部九州地域とのつながりを示す重 要な資料という。 さらに、同調査区内から出土した鹿角製柄付刀子(弥生時代中期後半、紀元前一世紀〜紀元前後)は、 現在の小刀に相当するもので、弥生時代に中国から伝来すると、木製品を加工する万能具となったと推測さ れている。今回の同刀子の出土は全体形が判別でき、実際に使用された状況をうかがうことが できる貴重な資料とされている。 周溝状遺構に詳しい、福岡県小郡市・埋蔵文化財センター技師係長で、文学博士の片山宏二氏は、「玄海 灘沿岸から日本海峡にかけての西北九州でも初めての発掘例であり、その実態は不明であったが、その配置. が広場や集落の隅にあることもわかり、出土遺物にも祭祀に関わる施設という見解が強くなった。吉野ヶ里 遺跡や平塚川添遺跡と極めて似た性格を持っていたことが推測される」などとしている。 一般公開は、六月十九日まで、芦辺町、原の辻展示館で公開されている。 市民多くの見学が呼びかけられている。