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「自分で考え行動 日本人に不可欠」・情報源:産経新聞H23.1.5 デジタル・ネイテイブ対談
「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」 グーグル日本法人前社長・辻野晃一郎さん
グーグルにアップル。今や、このアメリカの2企業をまったく介さずに、インターネットを楽しむのは難しいのかもしれない。ネット上の各種無料サービスに、多機能情報端末「iPad(アイパッド)」。昨年もこの2社は多くの話題を提供した。
「冗談じゃない、日本が生んだソニーはアップルやグーグルの手本となる企業でさえあったんだ」近著『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(新潮社・1575円)で、こう声を上げるのは辻野晃一郎さん(53)/写真。ソニーの22年間でパソコン「VAIO(バイオ)」などのヒットを生み、退社後はグーグル日本法人の3年間で社長も務めた人物だ。
ソニーを含めた日本企業は、かつてのような国際社会での存在感を発揮できずにいるのでは。そんな日本の未来に対する強い危機意識から、執筆を思い立ったという。「ソニーを創業した井深(大)さんや盛田(昭夫)さんの話を若い学生にしても、知らないことにショックを受けた。日本にもグローバルな企業を作り上げた起業家がたくさんいたことを、私の体験を通じて伝えたいと思ったんです」本書では、VA10や録画機の「スゴ録」など数々のヒットを生みながら、人事など組織の論理にも翻弄され、結局は退社を決意した心情を赤裸々につづっている。
ウォークマンなど若者のライフスタイルを変えた画期的な製品はなぜ生まれたのか。そんな開拓者精神にあふれたソニーの企業文化を改めて俯瞰(ふかん)するとともに、なぜグーグルやアップルの後塵を拝してしまったのかを、厳しい視線で見つめている。
「人のやらないことをやる、〃モルモット"と呼ばれた精神が、このネット時代にはみられなくなったから」という。興味深いのは、アップルの「iTunes(アイチューンズ)」に代表されるインターネットでの音楽配信は、ソニーが最初だったこと。それに、グーグル時代に目の当たりにした「ハンズオン(自ら動く)」の姿勢や決定までのスピード。いずれもすでにソニーで経験したことだったという。それらの記述には、古巣への強い愛情がにじむ。
「自分で考えて、自分のリスクで行動する。それが今の日本人に求められていると思う」。この時代にどう生きればいいのか。ネット時代における日本再生論として読むのもおもしろい。(堀晃和)
〈つじの・こういちろう〉昭和32年、福岡県生まれ。昨年4月にグーグルを退社。IT分野などで企画・開発を行うアレックスを創業し、社長に就任。
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